甲子園をかけた負けられない一戦 大阪桐蔭対智弁和歌山

本日10/28日は近畿大会準々決勝三試合が行われました。
昨日は雨の影響で順延が心配されるも何とか予定通り試合が消化されました。

この近畿大会の準々決勝の結果次第で来年の春の甲子園の出場校が大方決まるなど選手も気合十分で試合に臨み、夏の大会に負けず熱い戦いが繰り広げられます。

既に準々決勝の1試合は終わっており、龍谷大平安と市立和歌山が対戦してサヨナラで平安が勝利するなどはやくも熱い展開が広げられています。
今日の試合は

第一試合 履正社(大阪1) 対 福知山成美(京都1)

第二試合 報徳学園(兵庫3) 対 明石商業(兵庫1)

第三試合 智弁和歌山’(和歌山1) 対 大阪桐蔭(大阪2)


どのチームも全国に出てもおかしくないような高校ばかりで、
特に注目なのが第三試合





・大阪桐蔭にとっては勝てば甲子園、負ければ冬の練習と負けられない一戦


・智弁和歌山とは今年の選抜決勝を含め通算5度対戦してきた因縁の相手


・智弁和歌山の迫力あるブラスバンド



ファンの心を揺さぶる要素が満載で、この日のためにわざわざ岡山や東京から来られる方がいるくらい注目度が高い試合。この試合を見ることができて「幸せ」以外の文字が浮かび上がりませんでした。

因みに智弁和歌山のブラスバンドは大気が震えていて聞いていて心臓がバクバクするくらい迫力があります。1度でいいので生で聞いてください‼



この試合を振り返りましょう。

                     





大阪桐蔭は先攻。大阪大会で3本塁打と暴れた西野くんに、4番の船曳くん1年生、大阪の準々決勝の関大北陽戦で決勝打を放った藪井くんと1年生がクリーンアップを任されました。2年生は甲子園メンバーの2番宮本くんに、春の公式戦を経験している石井くん、山田くん、榎木くん、秋でメンバー入りし試合毎に成長している新井投手と頼もしい選手がズラリ。



一方、後攻の智弁和歌山は1番から5番の上位打線が旧チームのレギュラーでしかもセンターラインに揃うなどチーム力は相当ありそうです。9番綾原くんは初戦でセンターへの大きなホームランを放つなどどこからでも点が取れる打線です。投げる方としては恐怖でしかないですね。
 旧チームからの経験者は何度も大阪桐蔭に負けていることもあり、リベンジしたい気持ちでいっぱいのはず。大阪桐蔭は気持ちで負けてほしくないです。





序盤(1~3回)


1回表 大阪桐蔭


 智弁和歌山の池田泰騎くん。ストレートは130km/h台ですが、チェンジアップを使った
緩急自在な投球で勝負します。



 1番柳本くんがライト前にヒットを放つと、盗塁と捕手の悪送球の間に三塁へ。この走者を3番西野くんがセカンドゴロで返し1点を先制!智弁和歌山の立ち上がりをうまく突いた先制点でした。




1回裏 智弁和歌山



 大阪桐蔭の新井くん。140km/h台のストレートにスライダーを使う投球。この秋に主戦まで成長しました。



 立ち上がりですが、三者凡退で抑えました。最高のスタートを切りました!



2回表 大阪桐蔭

 1死後山田くんがセンター前に安打を放つ。続く榎木くんがエンドランを仕掛けますがこれがショート正面の打球となり併殺打を喰らいます。無得点で終わりますが序盤からどんどん攻めます


2回裏 智弁和歌山



 智弁和歌山の恐怖の打線が早くも新井くんを襲います。1死後5番根来くんがレフト前へ、6番佐藤くんがライト前と連続ヒット。ショートゴロで223塁となった後、8番池田泰騎くんがショート正面へ強い打球。榎木くんは捕球しましたが一塁送球が間に合わず同点の内野安打に。続く9番綾原くんがセンターへ逆転のタイムリーヒット。1番細川くんが足に死球を受け満塁とピンチが続きます。

ここで大阪桐蔭の西谷監督は守備のタイムをかけますが、選手が動揺しており意思が伝わりません。



落ち着く間もなく2番西川くんに押し出しの四球、3番黒川くんにも押し出しの四球を与え、1-4とリードを広げられます。4番東妻くんはレフトフライに倒れますが、この回だけで10人の打者を送る猛攻に大阪桐蔭が慌てている感じがしました。

 

池田泰騎くんの打球はショートライナーだと思いましたがワンバウンドしていたようで、対応が遅れる間に内野安打になった感じです。




3回表 大阪桐蔭



反撃したい大阪桐蔭は先頭の新井くんがライト前にヒット。1死後宮本くんがセンターへクリーンヒット。11,2塁で注目の西野くんでしたが投手ライナー、船曳くんもセンターフライに倒れチャンスを生かせません。




3回裏 智弁和歌山



 大阪桐蔭の守備に綻びが出ます。1死後ショートへの打球を榎木くんが捕球しますが一塁へ悪送球します。失策で出た走者をバントで2塁に進められたあと、先ほどタイムリーの池田泰くんが今度はセンターの頭上を越えるタイムリー二塁打。後続は抑え1-5とリードを広げられます。



 実は先頭打者も打ちとった当たりを一塁へ悪送球(カバーした捕手により打者は二塁でアウト)するなど失策が連続で続いています。第三試合とあってグラウンドが荒れていることもありますが、大阪桐蔭に悪い流れが来ています。





中盤(4~7)



 大阪桐蔭打線は2本のタイムリーを放ちすっかり気を良くした池田くんに7回まで三者凡退に抑えられます。緩いチェンジアップでタイミングを外されたあと、速く見せられた直球の前に凡打の山を築きます。4イニングで打者12人球数36球に簡単に抑えられているのがわかります。



 一方、守備では5回から登板した中田くんが走者を出しながらも粘りの投球。5回は先頭に四球を与えるも三振と内野ゴロで、6回は安打の走者を併殺打で切り抜けるなど味方の守備に助けられ無失点。


終盤(8,9回)




8回表 大阪桐蔭

 

ようやく大阪桐蔭が反撃に出ます。8番からの打順でここまで結果が出ていない主将中野くんが代打で登場し、苦しめられたチェンジアップを捉えライト前ヒット!ようやく出た主将の1打に私は思わず叫びました。良かった良かった。


ただ、9番代打西浦くんのところで中野くんが捕手からの牽制でまさかのアウト。
中野くん。。。

西浦くんも三振で倒れ、1番柳本くんは投ゴロで倒れたかに見えましたが一塁がボールをこぼし何とか出塁します。2番宮本くんが四球を選び、21,2塁で3番西野くんがチェンジアップをレフト前に運びこれがタイムリーヒット!ようやく1点を返します。4番の船曳くんが倒れましたが、2-5と差を縮めることができました。まだまだこれから




8回裏 智弁和歌山



 6番から始まる打順で、7番打者とここまで好投を続けていた池田泰くんに代打を送るなどで攻めの姿勢を見せる智弁和歌山。2つの四球などで21,3塁のピンチに1番細川くんを迎えますが、この回から登板の高野くんがファーストゴロに仕留め無失点。

ピンチをしのいで最終回の攻撃に向かいます。




9回表 大阪桐蔭 


 智弁和歌山は投手を背番号1の池田陽くんに代えます。

この回先頭の5番藪井くんがセンターへ大きなあたりもフライでアウト。6番石井くんはショート右をしぶとく破るヒット、7番山田くんはレフトの頭上を越える2塁打を放ち、12,3塁の大チャンス!

 ここで代打に1年生の伊東くんが送られます。内野ゴロでも1点が入る場面ですが、池田陽くんのストレートの前に空振り三振。続く西浦くんはサードゴロに倒れゲームセット。


2-5で智弁和歌山に敗れてしまい、リベンジを果たされる形になりました。



大阪桐蔭は序盤こそ先制するなど果敢に攻めるものの、相手の好守に阻まれるなどでチャンスを生かしきれず、流れを持って行かれた感じがしました。取り戻そうにも智弁和歌山の落ち着いたプレーの前に引き戻せないまま試合が終わった感じがしました。それでも最後まで諦めないプレーをしてくれました。普段は冷静に試合を見るのですが、この試合は
1プレー度に声を出すほど私も熱くなってました。


一方、智弁和歌山は選手全員が「桐蔭に勝つ」という気持ちが全面に溢れていました。
四球を選んだ打者は吠えながら一塁に向かったのが印象的でした。一気に畳み掛ける攻撃に安定した内野守備陣、良い投手、気迫以上に実力も素晴らしかったです。


桐蔭は春の甲子園の出場権を得られるかどうかはかなり微妙なラインです。選ばれなくてもおかしくないです。

選ばれると選抜3連覇と3季連続優勝で、選ばれなかったら春に出られなかった責任と夏にかける想い、さらに夏連覇どんな形でも尋常ではないプレッシャーを感じることになるでしょう。偉業達成した次の代の宿命と言うのでしょうか。

「この重圧から早く開放できたらいいな」と思うのが今の素直な感想です。勿論春の甲子園に出ることができるとなると嬉しいですし、もっと勝ってほしいと思います。ただ、今日の試合を見て、選手には荷が重いように感じました。春連覇、春夏連覇した時の中川主将も試合が終わったあと泣き崩れるのですから相当プレッシャーを感じていたと思います。
複雑な気持ちで来年夏まで試合を見ることになりそうです。

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