明石商業が京都国際を逆転で制す

こんにちは、Ujiです。
10/21(日)にほっともっとフィールド神戸で秋の近畿大会が行なわれたので朝早くから見に行きました。この日は地元兵庫が3校出て、神戸国際大付属、報徳学園そして明石商業と近年兵庫を引っ張る高校に、対戦相手も京都の強豪福知山成美に、夏の甲子園ベスト8メンバーが多く残る滋賀の近江、龍谷大平安を破った実力校京都国際と豪華勢揃い。どの試合も接戦で来た甲斐がありました。

 私の注目は第三試合に登場する明石商業です。
初めて名前を聞いたのが2011年で、春の兵庫を制し近畿大会も1勝をあげてからメキメキと力をつけてきています。近年の兵庫県内では常に上位に進出し、今年の夏は念願の甲子園出場も決めました。

率いるのは狭間善徳監督で、前任は明徳義塾中学の軟式野球を全国4度も優勝に導くなど実績は十分。中でもスクイズに力を入れているそうで、サインを出せば基本決まり、外されてもカットするように徹底されているよう。失敗をすれば3日間ひたすらスクイズの練習をさせられると聞きました。相当なこだわりがありますね。

 兵庫といえば、報徳学園や神戸国際、東洋大姫路が挙げられる中、「突然出てきた強豪校」とずっと気にはなっていました。

 明石商業のスタメンですが、1番から6番は旧チームからの経験者と聞いたことある選手が多く並ぶオーダーに一人一人の打席を見るのが楽しみです。中でも先発の中森くんは1年生ながら春の近畿大会、夏の甲子園で登板するなど期待の投手。春は大阪桐蔭相手に序盤で攻略されたものの、長身から投げる速球や変化球のキレに将来性を感じました。いずれは兵庫だけでなく全国を代表する投手になって欲しいです。
 一方の京都国際ですが、2008年春以来の近畿大会でそのときは夏の甲子園で優勝する大阪桐蔭に7回コールド負け、エース福島由登にノーヒットノーランまで喰らうなど苦い思い出しかないです。この時の4番申くんは広島東洋カープに選ばれるなどいい選手はいたので決して弱くないはずでしたが、相手が悪かったです。この時は「金」や「李」など韓国風な名前がほとんどでしたが、今年は和風な名前が多くだいぶ変わったなぁという印象です。
試合を見ていきましょう。
・1回表 明石商業

 3番重宮くんが遊撃に内野安打を放つも無得点。この回全てで内野ゴロでしたが、京都国際は難なく処理しました。遊撃手の上野くんは守備が良かったです。
 京都国際の先発は酒井くん。右の上手投げです。

・1回裏 京都国際

 期待の1年生中森くんが登板しますが、いきなり捉えられます。2番中村くんの左中間3塁打をきっかけに3連打を浴び、さらに6番福岡くんにもタイムリーを打たれ、この回2失点。
制球が定まらず、ボール先行の投球でこの回だけで33球。マウンドが合わないんでしょうか?早く立ち直って欲しいです。
 明石商業の先発は中森くん。私の期待の投手です。
・2回表 明石商業

 先頭の5番溝尾くんが死球で出塁。6番河野くんが送りバントを試みるも、これが投手の正面を突き、二塁から一塁への併殺打に。京都国際の酒井投手、ナイスフィールディングでした。
このあと7番水田くんが安打を放っただけに勿体無いバント失敗でした。


・2回裏 京都国際

 1番上野くんが四球で出塁し、盗塁を試みるも捕手の水上くんが正確な送球でタッチアウト。
中森くんがチェンジアップを投げたので捕手が取るまでに時間が掛かる中、見事に走者を刺しました。国際は打者3人で終わりました。


・3回表 明石商業

 先頭の中森くんが四球を選ぶと、1番来田くんがライトの頭上を越える2塁打。2番水上くんが倒れ、1死2,3塁。3番重宮くんが酒井くんの緩い変化球を上手く引き寄せてセンター前タイムリー。
2者が生還し、これで2-2の同点。この打席で重宮くんは変化球にタイミングが合っていなかったのですが、最後上手く合わせました。対応力がすごいです。
続く4番安藤くんも安打を放ち、1死1,2塁。ここで京都国際は守備のタイム。気を落ち着かせたのか、5番の溝尾くんをセカンドへの併殺打で仕留めます。


・3回裏 京都国際

 1死後4番の早くんが左中間へ2塁打。5番の神野くんは三振に倒れますが、6番福岡くんが前進していたレフトの頭上を越える2塁打を放ち3-2と京都国際がリードを奪います。


・4回表 明石商業

 1死後7番水田くんがセカンドとライトの間に落ちるラッキーヒットで出塁し、8番岡田くんの鈍い投ゴロの間に2塁まで進む。9番中森くんに代打横山くんが送られます。左中間に大きな当たりを放つもレフト早くんがキャッチ。得点ならず。

この回で中森くんはベンチに下がりますが、3回投げて70球とかなり制球に苦しみました。それでもストレートは常時140出て、最速144 km/h出ていましたし、チェンジアップは京都国際のどの打者もタイミングが合わず空振りしていました。苦い登板でしたがこれも経験と捉え他の投手に後を託しましょう。

明石商業は宮口くんがマウンドに上がります。この人も旧チームからベンチ入りし、新チームで主戦投手でした。

・4回裏 京都国際

 8番から始まり、宮口くんの立ち上がりを攻めたかったですが三者凡退でした。


・5回表 明石商業

 先頭の1番来田くんが四球を選びガッツポーズ。ここから反撃したいところ。2番の水上くんがバントの構え。初球は見送ってボール、しかし一塁走者の来田くんが飛び出しており、国際の谷口捕手に牽制で刺されタッチアウト!
 明石商業は攻撃がちぐはぐ。後続も倒れこの回無得点。


・5回裏 京都国際

 先頭の2番中村くんが1塁線を破る3塁打で出塁すると、3番村野くんのところでまさかのバッテリーミス。4-2と京都国際がリードを広げます。
村野くんは追い込まれるもファウルで粘り三振を取られたかと思われたがファウル。これで投手の緊張が切れたのか直後に暴投だったので、明石商業にとって痛いプレーでした。
・前半を終えて
 先ほど言いましたように明石商業は流れが悪いです。得意のバントが決まらず、好機で1本が出ない。守備もミスが出るなど良いところが少ないです。後半に流れを引き寄せたいです。

一方で京都国際は良い流れが来ています。先発の酒井くんが相手の早打ちに助けられ5回62球と少ない球数で打者を抑え打たせて取る投球で野手にもリズムが生まれ、攻撃も積極的に振っていき安打になる。この調子でいきたいですね
・6回表 明石商業

 1死後5番溝尾くんがフライを上げますが、レフトの早くんが落球。続く6番河野くんがレフト前にクリーンヒット。1死1,3塁の絶好の場面で7番水田くんがスクイズを試みますが、打球は捕手の正面。
飛び出した3塁走者は刺されます。8番岡田くんは四球で続き、9番宮口くんはいい当たりのライナーを放ちますが、一塁手の正面でアウト。チャンスを生かしきれない明石商業ですが、宮口くんの当たりで「ひょっとすると」って思ってました。


・6回裏 京都国際

 四球で出塁した8番森下くんを2塁に進め、1番上野くんはセンターへのヒット。森下くんはホームを狙いますが、来田くんのストライク返球で刺され得点ならず。2死でのプレーとはいえ、外野は前進守備を敷いていたので止まっても良かった気がします。
・7回表 明石商業

 2死後ヒットと四球で走者を溜めるも得点ならず。
・7回裏 京都国際

 先頭の中村くんが内野安打を放ちます。バントで2塁に進んだあと、打席には今日3本の2塁打を打っている早くん。ここは明石商業は敬遠を選択します。5番仲原くんもバントで送って、2死2,3塁で本日2本のタイムリーヒットの福岡くん。一塁は空いてましたが、明石商業バッテリーは勝負に挑みます。フルカウントまで持ち込み最後は変化球で三振。悔しがる福岡くんとガッツポーズする宮口くん、水上くん。本当に緊迫した場面で見ていてこっちもドキドキしました。


・8回表 明石商業

 ピンチをしのいだ明石商業に流れが来ます。先頭の6番河野くんが遊撃への高いフライを上げますが、これを上野くんが落球。河野くんは2塁に進みます。水田くんは倒れ、続く岡田くんの打球はまたも上野くんのところへ。低い当たりを後逸してしまい、1死1,3塁となります。

 ここで、京都国際は酒井投手に代え、エース左腕生駒くんをマウンドに送ります。

 明石商業が立ち上がりを攻めます。初球を宮口くんがいきなりスクイズ。生駒くんの前に転がり、ホームになげるも判定はセーフ。3-4と明石商業が追い上げ、尚も1,2塁のチャンス。来田くんは倒れますが、続く水上くんが三遊間を叩き割るレフト前ヒット。2死でレフトも定位置に守っていたので2塁走者はホームを狙います。走者が目に入ったのか、レフト早くんがまさかの後逸。国際が打球を処理するまでに打った水上くんもホームに帰ってき、6-4と逆転します。

球場は大盛り上がり。中森くんもベンチから飛び出して嬉しさを爆発させていました。


・8回裏 京都国際

 初めてリードを奪い、勢いにのる宮口くん。
3者連続三振で仕留めます!水上くんも三振の度にガッツポーズ。


・9回表 明石商業

 ここで追加点を奪いたいところですが、ライト仲原くんのダイビングキャッチもあり、三者凡退。
京都国際も諦めていません。


・9回裏 京都国際

 先頭の上野くんが死球で出塁。2番中村くんはセカンドへゴロ。岡田くんが上野くんにタッチしたあと一塁に投げようとしましたが、その場で飛ばされたかのように倒れてしまい併殺ならず。
ここで一時試合は中断。明石商業から抗議があり、審判団で協議。守備妨害にならず、1死1塁で試合が再開しますが、詳細を言って欲しかったです。
3番村野くんが四球を選び、チャンスに4番早くん。ミスを取り返したいところですが、センターに大きなフライを打ち上げます。タッチアップで2死1,3塁、ここで先ほど好プレーの仲原くんでしたが、宮口くんのスライダーの前に空振り三振。
ゲームセット。6-4で明石商業が苦しみながらも逆転で初戦を突破しました。
 7回裏の攻防がゲームのターニングポイントだったように思います。2死2,3塁で福岡くんと対戦する時は敬遠を予想していましたが、明石商業バッテリーは勝負に出て見事三振で切って取る。チームの流れを引き寄せる緊迫の場面でした。そして、直後に変わったばかりの投手にスクイズで動揺させたあと、息つく間もなく攻めて逆転した攻撃は凄まじかったです。
ピンチに好投し、スクイズを決めた宮口くん、今日のMVPです。
 一方で、京都国際は逆転を許した8回こそミスが重なりましたが本来は守備はうまいチームだと思っています。試合前のノックでは天然芝の内野ゴロも難なく処理出来ていました。どちらかというと明石商業が苦労しており、ノッカーも首をかしげるくらいでした。それが終わってみればエラー数は京都国際が2つ、明石商業は0。逆になってもおかしくなかったのですが、野球とは不思議なものです。
明石商業は選抜は堅いですが、次は同じ兵庫の報徳学園と勝負します。相手は3位校で勝たないと甲子園がないので必死さが段違いです。それでも油断することなく一戦必勝で勝ってほしいです。

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