2021年選抜高校野球 出場校予想 2/2(近畿、中国・四国、21世紀枠)

  こんにちは、Ujiです(@sakushingakuin_)

前回(Uji-Note 「2021年選抜高校野球 出場校予想1/2(東北、関東・東京)」)に続き、出場校を予想します。

近畿、中国・四国、21世紀枠です。まずは近畿からです。


・近畿(6枠)
ベスト8 神戸国際大付(兵庫1位)
ベスト8 龍谷大平安(京都1位)
ベスト8 天理(奈良1位)
ベスト8 智弁和歌山(和歌山3位)

学校運営は全て私立。(参考;2020年秋季近畿大会)

ベスト4に残った4つの出場は堅く、逆転選考もないだろう。残り2枠を上記4校が争う形になりそう。
近畿地区はまず県大会の成績で絞られる。09年の報徳学園(兵庫1位)、16年市立和歌山(和歌山1位)は準々決勝でコールド負けしたものの選ばれた。県2位、3位は延長に及ぶ接戦になっても県1位には及ばない(参考;2016年選抜出場校 選考理由 16年は一般枠に明石商業、21世紀枠に長田が選ばれたため報徳学園が落選したという話を聞くが、長田の結果に関係なく報徳学園は落選で市立和歌山が当選したようにも思える)。学校運営が公立ならまだ可能性があるが私立では正直厳しい。1県3校を回避するために逆転選出はあるのはあるが、今回は期待できない。智弁和歌山は市立和歌山に0-2と接戦だったが、県3位の私立で市立和歌山とは3戦3敗しているのもあって厳しい。ただ智弁和歌山は近年負けにくいチームを作っているため春や夏には面白いチームになっているかも。

5枠目は神戸国際大付と予想。準々決勝で京都国際に5-6と接戦。ベスト8以上で唯一の兵庫県と県1位と試合内容、地域性、県大会の成績と非のつけようがない。今回は21世紀枠に東播磨がいるがここの結果に関係なく神戸国際大付は選ばれるし落とす理由がない。

6枠目は龍谷大平安と天理のどちらか。共に県1位で京都と奈良はすでに1つずつ選ばれているので地域性でもドロー。そうなると準々決勝での試合内容になる。龍谷大平安は3-8で智弁学園に、天理は大阪桐蔭に5-12の7回コールドで敗退。コールド敗退はマイナス要素が強いため、龍谷大平安が一歩有利か。今回はコールドで負けなかった龍谷大平安が選ばれると予想。

天理には長身右腕達くんと4番の瀬くんの投打の柱がいて県大会では智弁学園に勝利して県1位になっている。地力は十分で夏にかけて急激に力をつけることが多い。今回ライバルの智弁学園が近畿王者になったこともあり夏の天理は強くなるのではないかと。

・中国・四国(5枠)
中国地区
 ベスト4 米子東(鳥取1位 公立)
      鳥取城北(鳥取2位 私立)

四国地区 
 ベスト4 鳴門(徳島1位 公立)
      小松(愛媛3位 公立)


今回予想する中でこの中国・四国が一番悩んだ。まずそれぞれの高校のポイントを整理しよう。
米子東(鳥取1位 公立)
偏差値63の進学校
中国大会で2試合連続延長戦を勝利
準決勝で0-12の7回コールド負け
準決勝の5失策を含む3試合7失策

鳥取城北(鳥取2位 私立)
準決勝で広島新庄に3-4の接戦。
3試合で1失策の守備

鳴門(徳島1位 公立)
明徳代木から最多となる2点を奪う。
県大会5試合で62得点の打撃力
2試合2失策の守備
準決勝で2-9の7回コールド負け

小松(愛媛3位 公立)
準決勝で敗退も2-3の延長12回の接戦
県1位の寒川に勝利
3度の本塁封殺を決める守備
聖カタリナと同じ愛媛という地域性
県準決勝でも聖カタリナに敗退
3試合5失策

どの高校も一長一短で決定打に欠ける。過去を振り返ると残りの1枠は中国・四国のベスト4の4校から選ばれることが多い。ここも県大会1位が選ばれることが多かった。今回県大会1位は鳥取の米子東と徳島の鳴門。米子東は2019年に春夏連続出場しており、この時の中学3年生が今年高校3年生になっている。甲子園での活躍を見て入学を決めた選手も多いはず。県大会で優勝し中国大会でも2試合連続で延長戦を勝利した粘り強さもある。選手の力だけでなくチーム力も完成度は高そう。鳴門は5試合62得点の打撃力で明徳代木から2点を奪っている。代木から2点も奪ったのは高知大会を含め鳴門のみ。実力は高い。ただここで問題が発生している。共にコールドで敗れているのだ。米子東はその上に5失策をしている。これが原因で落選するのではと予想している。県1位でもコールド敗退すれば選ばれないこともあり今回はこの2校は選ばれないと予想。

試合内容を見ると鳥取城北は優勝した広島新庄に3-4で、小松は準優勝した聖カタリナに2-3の延長12回と接戦だった。鳥取城北に長所は多いのだが、ここは08年秋、16年秋に県1位で中国大会に乗り込み準決勝で僅差で敗れたのに選ばれなかった経緯がある。他に10年秋に鳥取1位の鳥取中央育英が準決勝で3-4と敗退するも選ばれなかった(2011年選抜出場校 選考理由)。私立はマイナスポイントになるのか?これがすごく気になり今回は鳥取城北が選ばれないと予想。12年と20年のように決勝まで勝ち上がれば鳥取城北も甲子園に出場しているが当落選上だと厳しいのか。昨年の交流試合では明徳義塾をあと一歩まで追い詰めるなど年々戦力は上昇しているように見える。甲子園に出てコンスタントに勝てる時期が来るのもそう遠くはないと思う。

最後に小松。県3位で県大会四国大会では聖カタリナに敗退している。県大会では1-6だが、四国大会では延長12回の2-3と成長を見せた。16年に選抜出場した高知の土佐高校も15年秋に明徳義塾に2度敗れたが、四国大会で延長10回3-4の接戦が評価された例がある(参考;2016年選抜出場校 選考理由)。この4校のうち、小松だけが県1位に勝利している。組み合わせの都合もありだいぶ無理を言っているのだが、勝ち上がりを見て気付いた。県1位を倒した実力は多少なりとも評価される。これを理由に選ばれるのではと5枠目を小松にした。

・21世紀枠(4枠)
 「選抜の招待大会として特性を生かし、高校野球の模範的な姿を実践している学校を選ぶ」という理念から制度化された枠(毎日新聞社)。

選考基準は
0. 秋季都道府県大会ベスト16以上(参加校が129以上の時はベスト32)
1. 少数人数、施設面でのハンデ、自然災害などの困難な環境の克服
2. 学業と部活動の両立
3. 近年の試合成績が良好ながら、強豪校に惜敗するなどして甲子園出場機会に恵まれていない
4. 創意工夫した練習で成果を上げている
5. 校内、地域での活動が他の生徒、他校、地域に好影響を与えている。

などで0は必須条件、1から5のうちいずれかに該当すればいい。
このほかに「甲子園出場実績がない、30年以上甲子園から遠ざかっている」ことも判断材料になる。
また今年は明治神宮枠の代わりに21世紀枠が3つから4つに増設、東日本(北海道、東北、関東、東京、東海、北信越)から1校、西日本(近畿、中国、四国、九州)から1校、残り2つは地域を限定せず選考されることになった。
では4つの候補と選考理由を書こう。21世紀枠はまだまだ勉強することが多い。

・富山北部・水橋
東日本枠として富山北部・水橋を選んだ。2校は県立校の再編で20年度から統合。22年3月に閉校する水橋の2名と富山北部の16名の計18人。連合チームとして挑んだ富山大会では4位まで勝ち上がり北信越大会の出場権を手に入れた。北信越では初戦敗退も優勝した敦賀気比に0-5と善戦。地元開催で富山勢4校が出場して9回まで戦ったのはこの富山北部・水橋のみ。健闘ぶりは十分評価できる。昨年の独自大会も2勝を挙げるなど近年の実績もある。水橋高校の部員2名は富山北部まで通って練習を行う。2校間の距離は8km。移動時間に冬は雪も積もる地域と練習時間を確保するだけでも大変そうだ。上の条件では2,4の2つの条件が当てはまるのでは?このチームは2年生が4名、1年生が14名と若いチームであり、監督も名門富山商のOBだ。伸びしろもありそうだ。甲子園初となる連合チーム。夢と希望でいっぱいだ。選ばれてほしい。

・川之石
西日本枠として川之石を選んだ。聖カタリナと小松の一般枠2校と21世紀の1枠加えると1県3校になるが、18年に近江、彦根東、膳所が選ばれた例もある。
21世紀枠推薦は愛媛では最多の3回。内野しか使えない中で、自作の野球用具を使って練習に励む。18年に西日本豪雨により自宅が被災しており、そこから通う部員がいるなどハンデを抱えている。部員数も18名と多くない。そんな中、強豪の宇和島東を破りベスト8。西日本豪雨の復興支援やミカン農家の手伝い、知的障害をもつ子供たちとの交流など地域活動を行っている。1,4,5の3つの条件をクリアしているのでは?

このチームを見て、13年のいわき海星を思い出した。東北大震災で津波の被害を受け、学校施設は大破。まともに練習できる状況ではなかったそうだ。そんな中でも砂浜で練習をしたり、漁網を利用したネットなど工夫して練習を行い、その成果が12年秋に県大会ベスト8につながった(いわき海星 甲子園出場 セーフザチルドレン)。部員数18名(うちマネージャーが2名)と川之石と重なる点が多い。いわき海星の再来があると信じ、川之石が選ばれると予想した。

・石橋
3つ目は石橋。21世紀枠では毎年のようにお目にかかる文武両道の進学校。石橋もそのタイプだ。野球部員の約半数は現役で国公立大学に合格するなど勉学に努め、学校偏差値も66と21世紀枠最終候補の中では1番。部活動は平日2時間で他の部活とグランドを共有する。それでも県大会で作新学院を破り決勝進出。国学院栃木にサヨナラ負けを喫するも実力は負けていない。関東大会初戦で東海大相模に0-7とコールド敗退だったが、ここまでの勝ち上がりは評価できる。また、地域の小学生を対象に肩肘検診を兼ねた野球教室を開くなど普及活動にも力を入れている。春夏通じて初の甲子園出場なるか?

・東播磨
4枠目は東播磨を選んだ。偏差値は58の進学校。週に2度の7限の授業があるため2時間ほどしか練習できない日もある。それでも激戦区の兵庫を勝ち上がり準優勝。近畿大会初戦で敗退も1-2と善戦。近畿大会では市立和歌山の小園から唯一得点を奪っているなど実力も十分。地域の小学生に野球を教えるなど石橋と重なる点が多いが、今回私が注目したのは練習の工夫。コロナ禍でLINEやZOOMを使って監督と選手がコミュニケーションを密に取り、投球や打撃の動きのチェックを継続してきた。新型コロナウイルスの感染拡大により様々な活動が制限される現在で新たな指導形式になるのでは。今までとは違う新たな21世紀枠ができると期待して東播磨を選んだ。

・雑感

今回理由を考えるのにとても苦戦した。意見が分かれる地区が多く、決定打に欠けるため決めるのに時間がかかってしまった。決めた今でも本当にこれでよかったのかと迷っている。早く選考の日が来て結果が知りたい。選考委員がどういう判断で決めるのか気になって仕方ない。

明治神宮大会がなくなり、神宮枠の代わりに21世紀枠が増えた。個人的には公平感があって賛成である。神宮枠だが優勝した地区に1つ増えるのでその地区の当落選上にいる高校にはうれしいが、果たして優勝校のためになるのかがすごく疑問。確かに明治神宮大会に出場することで関東の大学関係者が視察に来るなど高校球児の進路の選択肢は増えると思うし、優勝すれば大学のランクも上がると思う。ただ選抜を勝ち上がるうえであまりメリットが感じない。他と同じく1回戦からのスタートで1番研究されるため勝ち上がるのも難しい。ベスト8までは神宮出場校と当たらない、2回戦からのスタートなど何かしら特権はあってもいいと思う。

21世紀枠は一般枠と比べてどうしても実力差があるため、勝ち上がるのは難しく大差で敗れることも多い。過去20年で54校が出場し71戦18勝。初戦突破を果たした高校は14校で内ベスト4が2度ある。初戦突破率は25.9%と数字に出ているように甲子園で勝つのも容易ではない。中には10点以上の大差で敗れる高校もある。こうなると21世紀枠廃止の声が上がるのも無理はないように感じるし、私も廃止か21世紀枠のみで行われた大会を開いたらどうかなと思っていた。ただ、去年の帯広農業の試合を見て考えは変わった。帯広農業は全力疾走やカバーリングなど誰もができることを最後まで徹底し、甲子園で勝利を収めた。相手は健大高崎で明治神宮大会準優勝校だ。改めて基本は大事だと痛感したし、再確認できる貴重な場ではないのかと考えた。今後帯広農業のような高校が表れるだろう。それが21世紀枠という形で甲子園に出ることができると考えたらまだまだ希望があると感じます。

新年一発目がかなり長いものになってしまったが最後まで読んでいただいてありがとうございます。今年も機会があれば現地で観戦してブログを書いていくので読んでいただけると幸いです。今年もよろしくよろしくお願いいたします。

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