天理が桐蔭投手陣を打ち崩し5年ぶりの近畿制覇

こんにちは、Ujiです。

大阪桐蔭 と 天理の試合を見てきました。


大阪大会は初戦しか見なかったですが、近畿大会では全試合見ることに。日程が上手いことあってくれました。

近畿大会もいよいよ大詰め。共に準決勝をサヨナラで勝ち上がった両チーム。共に勢いがあります。
神宮大会へ2年ぶりの大阪桐蔭か5年ぶりの天理か。試合は前半は1点差の膠着したゲームでしたが、中盤に天理がチャンスを活かすと打線が活発になり終わってみれば12-4の圧勝。初登板の達くんの好投もあって天理が近畿大会を優勝しました。
--------------------------------------------------------------------------

スコア
タップすると拡大して見れるようになっています。
緑線が投手交代を意味しています。
--------------------------------------------------------------------------
感想
 天理打線は容赦なかった。大阪桐蔭投手陣から3本塁打含む16安打12得点の猛攻。制球に苦しむ藤江くんにボールになる変化球はしっかり見逃し、ストレートはファウルでカットした。甘く入ればヒットになり、強打者には本塁打を打たれた。

終わってみれば12-4と天理が大勝したが前半は2-1と拮抗している。天理の先発達くんは身長190cmの高身長を生かした角度あるストレートと切れ味抜群のスライダーを武器に桐蔭打線をしっかり抑えた。一方、桐蔭の先発藤江くんもストレートを中心にバックの堅い守りもあって天理打線を初回以降失点を許さなかった。しかし、6回に攻略されることになる。

6回の天理の攻撃、藤江くんは先頭の瀬くんを2ストライクまで追い込むも際どいコースは見極められ、少しでもコースに入るとファウルでカットされる。中には100mは軽く越えた打球も打たれた。ファウルになったが、これで桐蔭バッテリーは危険と感じたのか瀬くんに四球を与えてしまった。この四球は両者の力関係を示した四球に感じた。

そして試合を決定づけたのは8番田中輝くんのタイムリーヒットだ。2アウト2塁で8番田中輝くんのところで桐蔭の外野手は定位置に守っているように見えた。桐蔭としてはなんとしても防ぎたい場面だが、後ろに下がった分ホームへの返球が遅れ二塁走者の生還を許してしまった。1点差で試合が硬直している中、次の1点を取ったほうに流れが傾く中、天理が次の1点を奪った。その後連打と本塁打が飛び出し計5得点。これで試合が決まってしまった。


この6回の田中輝くんの打席で「なぜ外野は前進守備をしていなかったのか?」という声も聞こえたし私自身も不思議に思った。そこで6回までのスコアを見直してみると桐蔭の攻撃に関係があるのではないかと考えた。上の図の赤く塗りつぶしたところ(5回3番河村くんの打席と6回の田中輝くんの打席)での当時の状況を説明しながら理由を言おうと思う。

5回の天理の攻撃、2アウト1,2塁で3番河村くんがレフト前にヒットを放った。河村くんは今日本塁打を放っているのに関わらず桐蔭の外野陣は定位置より前に守っていた。4回までの桐蔭の攻撃を見ると安打は西野くんの本塁打のみであとは四球で走者を出しただけだった。天理の達くんの出来からして「1点を与えることはできない」と判断して前進守備を敷くことで1点を防ぎにいったのではないか。4番山地くんは三塁線を破ろうかという当たりをサード西野くんのファインプレーによって失点を防いだ。抜ければ2点は入っていたところを0に抑えた。これで桐蔭ナインは「まだやれる!」となったはずだ。

5回の桐蔭の攻撃、2アウトから清水くんが四球を選び、藤江くんがチーム2本目となる安打を放ち、1,2塁のチャンスを作った。1番池田くんはセンターフライに倒れ無得点に終わったものの、これまで苦しんできた達くんからようやくチャンスを作った。次の回では打線も3巡目に入る。桐蔭打線はこれまで履正社の岩崎くんや明石商業の中森くんと全国トップクラスの投手でも3巡目には攻略してきた。次の回では1,2点は取り返せるという自信があったのか。それが6回の守備に出たのでは。

その6回の田中輝くんのところだが、先ほど書いたように外野手が定位置で守っていた。本来なら外野は前進守備で1点を防ぐはずだ。ただ、これまで田中輝くんは二つの外野フライに倒れている。前進守備を敷いて外野の頭を越えるよりは定位置で守った方が田中輝くんを打ち取れると思ったのか、単打を打たれて1点を失っても打って取り返せるのか。おそらく前者だと思うが、後の1番下林にも同じような行動をしていたので後者もあると思う。実際に桐蔭は6回の攻撃で2アウト2,3塁と攻め立てているし、7回には達くんから3点を奪っている。

5回で前進守備をしていて安打を打たれても点が入らなかった分、6回のは定位置で守って点が入ってしまっただけに、「なぜ外野は前進守備をしていなかったのか?」という疑問が浮かんだと思う。スコアから見ると桐蔭打線に気持ちの余裕が出た分、守備位置にも違いが出たのではないかと思う。


試合前半は拮抗しておりどちらに流れが傾いてもおかしくなかった。今大会初登板の達くんが想像以上に良かった。角度あるストレートと切れ味抜群のスライダーでカウントを取られると桐蔭打線とはいえ中々攻略できなかった。達くんはまだ1年生でこれからも期待できる選手だが、秋の近畿大会で桐蔭を破った1年生投手はあまり伸びていないことが多い。
達くんはぜひジンクスを打ち破ってほしい。

達くんをリードする山元くんは事あるごとにマウンドにかけて投手に声をかけた。その数はなんと12回。今まで見た中で一番多いかもしれない。初登板で緊張するだろう達くんに積極的に声をかけるなど精神的に支えた。面倒見がよさそうだ。また、ベンチでも選手に情報を送るような様子も見られた。仲間から絶大な信頼を得てそうだ。近畿大会を勝ち上がれたのは彼の活躍があるのかもしれない。これから神宮、甲子園と続くが面倒見の良さで投手陣を支え、上まで勝ち上がって欲しい。


大敗を喫した桐蔭だが正捕手であり攻撃の軸である吉安くんが抜けた中での近畿大会準優勝は立派だと思う。代わりに捕手を務めた清水くんは投手陣をしっかりリードした。4試合で後逸も2つだけで初戦のみ。あとの試合では全て投手の球をしっかり前で受け止めた。公式戦の経験が少なく、いきなり甲子園をかけた大会での登場だったがしっかり役割を果たした。清水くんがいないと甲子園はなかったかもしれない。

投手陣は藤江くんが絶対エースでいるが、申原くんに1年生にも好素材が多く揃っている。彼らはまだまだ線が細いですが、冬のトレーニングで身体を鍛えれば球も速くなり球威も増すと思う。藤江くんに次ぐ先発投手が出てきて欲しいところ。

大敗したあとの桐蔭は強くなることが多い。08年世代や14年世代はコールド負けの大敗を喫したあと冬の練習をみっちりしたあと見違えるような強さを手に入れて試合を勝ち進み全国制覇を達成した。来年はどうなるかわかりませんが甲子園に出るときは強くなっていると期待したいです。

コメント

人気の投稿