好プレーで勝利を掴んだ野洲ボーイズが春の全国大会へ

滋賀大会もいよいよ大詰め。決勝戦は

湖北ボーイズ　VS　野洲ボーイズ

の1戦となりました。


共に接戦で準決勝を勝ち上がったチーム同士の対

決。とは言え、湖北ボーイズは好投手前田くんを前

の試合で使いきった。またもどのように投手を起用

するのか気になる1戦であり、投手を援護するため

にチームも総力戦で挑むと予想。しかし、野洲ボー

イズはそれをも上回る戦力を有していました。


---------------------------------------------------------------------------
短評

野洲ボーイズがまたも守備で勝利を引き寄せた。

1-1の同点で迎えた2回2アウト2塁で1番千葉くんの

打球をセンター中川くんがダイビングキャッチ。こ

れで試合の流れを引き寄せると3回に野洲打線は岸

くんの高めの球をセンター返しの打撃で5安打を浴

びせ、5-1と主導権を握る。また5回には1番関谷

くんのランニングホームランが飛び出すなど計8点

を奪い試合を決定づける。湖北打線も最後まで果敢

に攻めるも野洲の堅い守りの前に3点を奪うのが精

一杯。最終回も満塁まで食らいつくも追いつくこと

ができず、8-3で野洲が勝利し、全国大会の切符を手

に入れた。
---------------------------------------------------------------
スタメン

湖北ボーイズの先発は右腕の岸くん。初戦ブルペン登板した人かな？球が速く感じた。
前田くんはライトで出場。打撃も良くてこの試合は3番。ドンドン打順が上がります。

野洲ボーイズの先発は関谷くん。1番も打てて投手やる人は能力高いイメージ。
7番中川くんは前の試合で途中出場ながら守備でいいプレーを見せてくれました。
---------------------------------------------------------------
試合詳細
・1回表　湖北ボーイズ

先頭の千葉くんが死球で、3番前田くんが四球を

選び、1アウト1,2塁で4番大橋くんがセカンドの

グラブを弾くタイムリーヒット。1-0と先制します。

その後、大橋くんの盗塁もあり1アウト2,3塁とチャ

ンスを作るも、5番藤田くんがサードファウルフラ

イ、6番近藤くんがショートゴロに倒れ追加点なら

ず。それでも今大会初登板の岸くんに打線が先制点

をプレゼントします。


・1回裏　野洲ボーイズ

1点をもらった岸くんに野洲打線が襲い掛かります。

1番関谷くんがフルカウントから高めストレートを

強振。打球はライト線を破る三塁打を放ちます。1

アウト後、3番川元くんがライトに同点タイムリー

ヒット　1-1。

5番田中くんもヒットを放ち、2アウト1,2塁とする

も6番大橋くんがセカンドゴロに倒れ、追加点なら

ず。

湖北の岸くんは全ての打者にボールから入っていま

した。様子見もあったのかもしれませんが、1番以

外はファーストストライクから振って来ました。野

洲打線は怖いです。

・2回表　湖北ボーイズ

少しでも岸くんを援護しようと打線は奮起します。

7番藤原くんが三遊間を破るヒットで出塁。8番横井

くんのところで野洲の関谷くんが暴投。藤原くんは

２塁蹴って3塁も狙いますが、タッチアウト。

それでも8番横井くんがレフト前ヒットを放ちま

す。2塁に送り1番千葉くんですが、センターへのフ

ライを中川くんがダイビングキャッチ。勝ち越しの

チャンスを活かせません。

果敢に攻めた湖北ボーイズ。しかし、野洲ボーイズ

の初戦でも見せた守備の堅さの前に得点できませ

ん。


・2回裏　野洲ボーイズ

先ほど好プレーを見せた中川くんからですが、セカ

ンドゴロに倒れ1アウト。8番堀口くんがライト前に

ヒットを放ちますが、後続が倒れこの回無得点。

1回の川元くんとこの回の堀口くんがライト前に

ヒットを放ちますが、この試合ライトに入った前田

くんがライトゴロを狙います。登板できなくても1

野手として岸くんを援護します。


・3回表　湖北ボーイズ

2番高山迅くんからの好打順も三者凡退で終わります。

・3回裏　野洲ボーイズ

野洲打線が本領発揮します。

先頭の2番大西くんがセンター前ヒットで出塁。3番

川元くんがライト前に打球を運びますが、前田くん

の好返球でライトゴロに。しかし、手を緩めない野

洲打線。4番井上くんがセンター前にヒットで繋

ぎ、1アウト1,3塁で5番田中くんが高めの球をセン

ターに弾き返し、2-1と勝ち越しに成功。2アウト

後、7番中川くんがライトの頭上を越える2点タイム

リー三塁打、8番堀口くんもセンター前にタイム

リーヒットを放ち、5-1と大きくリードを広げます。

打者8人の猛攻を浴びせた野洲打線。6人がファース

トストライクから振っていき、センター返しを中心

に単打を打つ徹底ぶり。あまりの攻撃に岸くんは天

を仰いでいました。

・4回表　湖北ボーイズ

反撃した湖北ボーイズですが、三者凡退に倒れま

す。ファーストストライクから積極的に打っていく

も凡打の山を築きます。

湖北ボーイズに守備の変更。岸くんに代わって横井くんがマウンドへ。レフトには横田くんが入ります。


・4回裏　野洲ボーイズ

前の試合踏ん張りを見せた横井くんですが、制球が定まりません。

1番関谷くんがフルカウントから四球を選ぶと、2塁

に進み、3番川元くんに死球、4番井上くんも四球を

選び、1アウト満塁のチャンス。

ここで投手交代。横井くんに変わって千葉くんがマウンドへ。

千葉くんは5番田中くんに犠牲フライを打たれ1点を

失うものの、後続を断ちます。6-1


・5回表　湖北ボーイズ

このまま黙ってられない湖北打線。

先頭の横井くんがセンター前ヒットで出塁します。

9番横田くんが四球を選びチャンスを拡大。1番千葉

くんはサードゴロで、1アウト1,3塁。2番高山くん

のところで千葉くんが盗塁。送球が逸れる間に3塁

走者はホームに突っ込み、2-6と反撃します。

高山くんが倒れ、3番前田くんが四球でつなぐと、4

番大橋くんが三遊間を破るタイムリーヒット。3-6と

点差を縮めます。

ファーストストライクから積極的に振っていき、盗

塁など一つでも先の塁に進む。まだ諦めない湖北

ボーイズ。


・5回裏　野洲ボーイズ

攻撃の手を緩めない野洲打線。

先頭の8番堀口くんが四球で出塁すると、1アウト後

1番関谷くんのだきゅうはレフトへ。レフト横田く

んが必死のダイビングも打球はグラブをかすめ、

フェンスまで転々と。。。

打球を処理する間に関谷くんが一気にホームまで帰

り、2点ランニングホームランとなります。8-3。後

続は抑えたものの、終盤に取った分を取り返す大き

な2点になりました。

ここで野洲ボーイズは投手を関谷くんから井上くんに代えます。


・6回表　湖北ボーイズ

先頭の6番近藤くんが四球で選び、代走に林くんを

送るなど湖北は仕掛けますが、次の打者がファース

ト正面のゴロ。3-3-4のダブルプレーでチャンスを逃

してしまいます。


・6回裏　野洲ボーイズ

先頭の4番井上くんが四球を選び、5番田中くんがセ

カンドゴロを放ち2塁に送るもショートがボールを

ポロリ。バントで1アウト2,3塁と手堅い作戦に出る

が、7番中川くんをレフトフライ、8番堀口くんを

サードゴロに倒れ無得点。

千葉くん、味方のエラーもありながら何とか投げ切った！最終回に望みを繋げます。


・7回表　湖北ボーイズ

先頭打者は横田くんに代わり川邊くん。四球を選

び、高橋くんが代走に入って盗塁するなどやはり最

後まで果敢に攻める湖北ボーイズ。1,2番が倒れる

も、3番前田くんが必死に粘って四球、4番大橋くん

も四球を選び、2アウト満塁で5番藤田くんもキャッ

チャーファウルに倒れゲームセット。

8-3で野洲ボーイズが勝ち、ジャイアンツカップに続く全国大会の出場権を得ました。

優勝を決め、マウンドに集まり喜びを分かち合う野洲ボーイズのみなさん。

---------------------------------------------------------------
感想
野洲ボーイズが攻守で湖北ボーイズを圧倒した試

合。流れを渡さない守備の堅さに、ファーストスト

ライクから振っていく打線と準決勝でも見せた強さ

を感じました。中でも2回の守備が野洲の勝利を引

き寄せたと思いました。

 同点で迎えた2回表2アウト2塁の場面、湖北の千葉

くんがセンターに打球を放ちます。野手の前に落ち

てもおかしくない当たりに、風はレフトからセン

ターになびくなど難しいところを、センター中川

くんが猛ダッシュし、ダイビングキャッチしたので

す。取れてなければ1点が入ってもおかしくない場

面。湖北には1点を勝ち越せなくてがっかりする、

野洲には1点を防いだことにより勝ち越しを防いだ

プレーは、同点とは言えこの地点で両者の気持ちに

2点の差が生まれたような気がしました。中川くん

はボールと同時に勝利を掴んだと言ってもいいくら

い大きなプレーをしてくれました。

守備からリズムを作る。それを体現するかのように

3回の攻撃は高めの球を力まず、しっかりセンター

方向に弾き返す。大きいのは狙わず後ろに繋ぐ打線

に湖北サイドは沈黙してしまい、岸くんもノックア

ウトされました。

序盤のダイビングキャッチから3回の連打で勝負はあったように見えました。

一方、湖北ボーイズも前田くんが登板できず、今大

会初の岸くんを援護しようと打線が奮起します。1

回1,2塁で4番大橋くんがセカンド正面の当たりも気

持ちが乗り移ったのかグラブを弾くタイムリーヒッ

トで先制点をあげます。その裏に同点とされるも、

2回にはヒットで出塁しあ藤原くんがパスボールで

三塁まで狙うなど、1点を取るために1つでも先の塁

へ進む意識が見られました。野洲の堅い守りの前に

思うように進めませんでしたが、最後まで果敢に攻

める姿勢を見ることができました。投手岸くんの他

に横田くん、千葉くんと奮闘しましたが、よく投げ

たと思います。野洲打線が強力で抑えるのもやっと

な気がしました。前田くんも投げられないなか、ラ

イトの守備で投手を援護し、まさに「総力戦」でし

た。

ただ、一つ気になったのが、湖北ボーイズが試合を

通じて静かであったこと。特に終盤ではベンチが試

合を眺めている状態に見えた。野洲打線の猛攻によ

り投手も野手も防戦状態の中、ベンチが声を出すこ

とで気持ちの支えになることは出来たと思う。野球

でもスタンドが応援することがあるが、その応援が

グラウンドでプレーをしている選手の気持ちの支え

になったりする。グラウンドにより近い、ベンチか

ら声を出せばより心強い支えになったのではないか

と思う。高校でもベンチから声が出ているチームは

強いですし、大阪桐蔭もよくベンチから声が出てい

ます。また、この試合おそらく1度も守備のタイム

を使っていない。中学野球は7イニング中3回守備の

タイムを使うことができ、監督がマウンドに行って

選手に直接話をすることができる。3回の猛攻を浴

びているこそ守備のタイムを使いどきだった。タイ

ムを取ってたら野洲打線を抑えることができたのか

と言われると答えはNoですが、間を取って投手の気

を落ち着かせたり励ましたりは出来たと思う。私は

守備のタイムを「チーム間の確認の場」であった

り、「気持ちの回復薬」だと考えている。試合中で

はプレーに集中して意思疎通ができないこと、ピン

チになりチームが動揺している時に、一旦時間を止

めて落ち着くことができる。攻撃する方も無理やり

流れを断ち切られたのでイヤな雰囲気になることも

ある。守備側を有利にたたせる効果も期待できる。

実際に高校野球でも甲子園で勝ち進む監督はタイム

を有効に活用し、中でも明徳義塾の馬渕監督と済美

の上甲監督は本当にうまく使っていると思う。ピン

チになってから取る監督が多い中、この二人は「ピ

ンチになる前の状態で、もしピンチになること時を

想定した上で」タイムを取る。強打者や当たってい

る人の前の打者のところでタイムを取る。仮にその

打者が出塁してピンチ拡大になっても「想定内」と

した状態で次の打者に向かう。その効果があるから

かチームはしっかり落ち着いてプレーでき、ピンチ

を脱出することもあるのだ。他に八戸光星学院の仲

井監督は気を引き締めるために使うなど、監督によ

って使い方に個性が現れるが、この3人はよく試合

の状況を把握し、選手の状態を見ていると思いま

す。それ故、一朝一夕で習得できるものではなく真

似するのは難しいと思いますが、考になると思いま

す。私もどのタイミングでタイムを取るか予想はし

ていますが、全然違うことが多いです。本当にタイ

ムを取るって難しいです。

関係者でもなんでもない1観客が言うのもどうかと

思いますが、「ベンチからプレーヤーの気持ちを支

える声出し」を湖北ボーイズができるようになれば

より良いチームができるのではないかと思います。

守備のタイムを取ってチームを落ち着かせることで

より強いチームが作り上がると思います。投手も守

備もいいので、ピンチに強いしぶといチームが出来

上がりそうです。

話が逸れてしまいましたが、全国大会の切符を手に

した野洲ボーイズは堅い守備で1戦1戦勝ち上がって

優勝して欲しいです。野洲ボーイズのみなさん、お

めでとうございます。そして、湖北ボーイズのみな

さんお疲れ様でした。