先頭打者を多く出塁させた枚方ボーイズが決勝進出

こんにちは、Ujiです。

ボーイズ春季全国大会大阪北部予選準決勝

枚方ボーイズ　VS　高槻ボーイズ

の一戦です。


野球ではよく「先頭打者が大事」という言葉を聞き

ます。というのも、無死走者なしの場面から打者が

一塁に出塁すれば得点確率が40.6%に対し、アウト

になり1アウトからだと14.6%にも下がるという

(「勝てる野球の統計学」より)。確かに先頭が出れ

ば攻撃側はバントや盗塁など仕掛ける場面も多いで

すし、守る側はプレッシャーを感じるので得点しや

すいのも頷けます。

この試合、両チームの打線が共に強力で序盤から点

の取り合いになりました。終盤に枚方が逆転で制し

ましたが、そこには「先頭打者」の役割が大きかっ

たです。

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短評
       

高槻　0 3 0 1  0 0 0　| 4

　　　                   　

枚方　3 0 0 0  2 1 ✖　| 6

枚方ボーイズが得点した回には全て先頭打者が出て

いた。1回1番村上くんが初球をセンター前に弾くと

そこから連打にエラーが絡み3点を先制。直後に同

点に追いつかれ、4回に勝ち越しを許し、迎えた5

回。またも先頭の村上くんがセンター前ヒットで出

塁すると盗塁と2番村本くんの安打で同点に追いつ

く。勢いにのる打線はさらに3連打を放って1点を加

え逆転に成功。6回には先頭の9番寒川くんが3塁打

を放ち犠牲フライでダメ押しの追加点。

投げては途中登板の三木くんが5回を1失点に抑え、

6-4で逆転勝利した。高槻ボーイズも3度先頭の走者

を出すも得点したのは4回のみで、他は枚方守備陣

に阻まれた。

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スタメン

	先攻		後攻
	高槻ボーイズ		枚方ボーイズ
1	中	保田	投	村上
2	遊	萬代	右	村本
3	三	佐藤	捕	北村
4	捕	橋本	三	三木
5	左	岩下	一	加藤
6	投	田邊	左	木本
7	二	滝野	中	赤堀
8	一	岸田	遊	神田
9	右	橘	二	寒川

枚方ボーイズの木本くん、赤堀くん、寒川くんは旧
チームから試合に出てた選手だそうです。木本くん
の兄は秀岳館で甲子園に出場し、ホームラン2本を
放っています。弟は肩が強い選手ですが、打撃にも注目したいです。

高槻ボーイズの先発田邊くんは左のオーバーハンド。カーブを投げるなど緩急を使った投球もします。打線は全体的にスイングが鋭くストレートに強い。

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試合詳細

・1回表

1アウト後2番萬代くんが初球を捉えライト前ヒット

で出塁。3番佐藤くんがサードゴロで二塁封殺も4番

橋本君が三遊間を破るヒットで2アウト1,2塁と先制

のチャンス。5番岩下くんがショートへの当たりで

ショートは一回弾くも送球が間に合い3アウト。こ

の回得点ならず。


ヒットは中に入ったストレートで逃さずしっかり捉

えました。萬代くんのヒットは目が覚めるような当

たりでした。


・1回裏

高槻ボーイズの先発田邊くんは立ち上がり球が高

かったです。それを枚方打線は逃しませんでした。

1番村上くんが初球をセンター前に運ぶと、2番村本

くんは左中間に２塁打を放ち、0アウト2,3塁の

チャンス。ここで3番北村くんがセンター前にタイ

ムリーヒットを放ち、1-0と先制。尚もチャンスで4

番三木くんがライトへのフライをライト橘くんが

落球。2-0

5番加藤くんはセカンドゴロに倒れますが、6番木本

くんがライトに犠牲フライを放ち、3-0。7番赤堀

くんはショートゴロに倒れますが、この回3点を奪

います。


3連打で先制点を奪った枚方ボーイズ。全て高めの

ストレートと甘い球を逃しませんでした。また、

ライトフライ落球ですが快晴で打球が高く上がれば

ボールを見失ってしまったでしょうか。さらに4番

三木くんはスイングスピードが速く打球も変化して

いたのも余計に取りづらかったと思います。

・2回表

すぐに反撃する高槻ボーイズ
1アウト後、7番滝野くんが四球を選ぶと8番岸田

くんがショート左に抜けるレフト前ヒットで繋ぎ、

1,2塁のチャンス。9番橘くんは三振で倒れますが、

1番保田くんが真ん中のストレートを引っ張りライ

トの頭上を越えるタイムリー2塁打。1-3と反撃開

始。2番萬代くんが高めのストレートをレフト前に

運ぶタイムリーヒットで2-3。さらに3番佐藤くんが

サードにゴロを放つも三木くんがまさかのトンネ

ル。エラーで3-3の同点に追いつきます。4番橋本

くんはファーストゴロに倒れ勝ち越しはならず。


好球必打。ゾーンに入った球は初球から振ってい

き、甘く入ればヒットにする。1番保田くん、2番萬

代くんはストレートが来たら待ってましたと言わん

ばかりに打っていました。高槻の強力打線を前に村

上くんは2回でマウンドから降りました。


・2回裏

8番神田くんがライト前ヒットで出塁します。9番寒

川くんがライトフライで1アウト。1番村上くんの初

球で神田くんが盗塁を試みます。成功したように見

えましたが、打者村上くんが捕手の送球を妨害した

として守備妨害で村上くんはアウト。走者は1塁に

戻ります。

2番村本くんはショート正面の当たりで3アウトとな

り、枚方ボーイズ得点ならず。


枚方ボーイズは村上くんが投手からライトへ、ライ

トの村本くんがサードへ、サードの三木くんが

マウンドに上がります。

・3回表

1アウト後、6番田邊くんが四球で出塁しますが、7

番滝野くんのところで牽制で刺されてしまいます。

滝野くんも倒れ、この回3人で攻撃が終わります。


三木くんの牽制は速かったです。


・3回裏

先頭の3番北村くんがレフト前ヒットを放ち暴投で2

塁まで進みますが、後続が倒れ無得点。

・4回表

先頭の8番岸田くんが外角ストレートをライト前に

運び出塁。9番楠くんがバントで送ると1番保田くん

がセンター前ヒットで1アウト1,3塁のチャンス。2

番萬代くんが初球を打ちセンターへ。これが犠牲フ

ライとなり4-3と勝ち越しに成功します。


保田くんは初球を空振りしたのですがわざとに見え

ました。3球目をヒットにしたのですが、誘ったの

でしょうか？曲者ぶりを発揮します。


・4回裏

7番赤堀くんからの打順も三者凡退に終わります。


田邊くんは緩い球を有効に使い、わずか7球打たせ

て取る投球で抑えました。

・5回表

2アウト後、6番田邊くんと7番滝野くんがヒットを

打ち、1,2塁のチャンスも8番岸田くんがキャッ

チャーファウルフライに倒れ追加点ならず。


滝野くんはハーフスイングでしたが、ライト前に落

ちるラッキーなヒットでした。


・5回裏

ここまで押さえ込まれていた枚方ボーイズ打線が本領発揮します。

1番村上くんがセンター前ヒットを放つと盗塁で0ア

ウト2塁。2番村本くんが打球をライト前にヒット。

ファンブルもあり、村上くんがホームに返り4-4の

同点に追いつきます。

3番北村くん、4番三木くんもヒットで続き、5番加

藤くん。2球目を打ち前進守備の間を抜けるタイム

リーヒットで5-4。7番木本くん、8番赤堀くんが共

に内野ゴロでホームで封殺されるなど追加点はなり

ませんでしたが、5連打で逆転しました。


この回集中打が出て逆転しました。中でも1,2番の攻

撃が鮮やかでヒットで出た走者を盗塁で、その後

ヒットとエラーも絡み同点に追いつきました。わず

か8球と今まで抑えられていたのが嘘のような同点

劇でした。

・6回表

追いつきたい高槻ボーイズ

先頭の9番橘くんがレフト前ヒットで出塁し、パス

ボールで2塁に進むも後続が倒れ追いつけず。


・6回裏

先頭の9番寒川くんが右中間に3塁打を放つと、1ア

ウト後2番村本くんがセンターへの犠牲フライで6-4

とリードを広げます。2アウトから3番北村くんがレ

フト前ヒット、4番三木くんがセカンド内野安打で

チャンス拡大。5番に途中からファーストに入った

松居くんがファーストフライに倒れます。


犠牲フライを放った村本くんですが、当てただけで

センターの定位置まで持っていくほどパワーがあり

ました。まだ1年生で先が恐ろしい人です。


・7回表

先頭の4番橋本くんがライト前ヒットで出塁しま

す。5番岩下くんはレフトフライ、6番田邊くんは

ファーストゴロでその間に橋本くんは2塁へ。7番滝

野くんはライト前に打球を運びますが、ライト村上

くんが一塁へ送球。ライトゴロが成立し、ゲーム

セット。


6-4で枚方ボーイズが決勝戦に進出しました。

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感想

　両チーム打線がしっかり振れており、高槻は11安

打、枚方は12安打と安打数はほぼ同じです。ただ、

先頭打者を出した回は高槻は3回であるのに対し、

枚方は5回でうち3回は得点に結びついています。枚

方が得点した回に注目していきたいと思います。

まず1回。先頭の村上くんが初球をセンター前に弾

くヒットを放ちます。ここから3連打とエラーが絡

み3点が入ります。田邊くんは球が高くヒットは何

れも高めのストレートでした。緊迫する立ち上がり

に村上くんはいきなりフルスイングでヒットにした

ことにより、打線には勢いを、投手にはプレッ

シャーを与えたかもしれません。

次に5回。1番村上くんがまたもヒットで出塁します

が、この回の枚方ボーイズの攻撃はいつもと雰囲気

が違いました。2ストライクから追い込まれたあ

と、村上くんは打撃スタイルをノーステップ打法に

変えたのです。かつて鍛治舎監督が枚方ボーイズに

いたときに指導していた打法で、バットを短く持ち

身体をぐっと沈め四股を踏むような構えをすること

で、目線をブレにくくしボールを捉える各率が上が

り、ミートしやすくなるそうです。1点ビハインド

で終盤に差し掛かる回に先頭打者として出塁する意

識が打撃スタイルに現れヒットを打つ。攻守共に緊

張感が走る中でヒットで出塁した村上くん。更に盗

塁を決め、村本くんのヒットで同点のホームに帰

る。勢い乗った打線はさらに3連打でもう1点を追加

し、逆転に成功します。村上くんが先頭で出塁した

のがこの試合のターニングポイントな気もします。

それほど大きなものでした。

そして6回。9番寒川くんが3球目を捉え右中間を破

る三塁打。2番村本くんが犠牲フライを放って1点を

加えました。前の守備で高槻が先頭打者を出して2

塁まで進めたのに同点に追いつけないなか、枚方が

先頭打者が長打で出塁し得点する。終盤に入った1

点はダメ押しとも言える1点でした。

2,3回を含め7回中5回は先頭打者を出塁させていた枚

方ボーイズ。常に得点する機会を作っており、高槻

を徐々に追い詰めて終盤の逆転に繋がったのかもし

れません。

一方、高槻は先頭打者が出塁したのは3回(4,6,7回)で

すが、4回には1アウト1,3塁から犠牲フライを放ち勝

ち越しに成功しています。2回に連打で得点してい

ますが、4回はバントを絡めるなど攻撃がスムーズ

にいっているように見えました。やはり先頭打者は

大事であることがわかりました。

高槻打線は強力で枚方に負けず甘い球をしっかり

振っていきました。全てのイニングで出塁し、3回

以外はヒットの走者が出ています。2アウトから連

打で得点を奪うなど最後まで攻める姿勢が見られま

した。中でも1番保田くんと2番萬代くんはストレー

トに強く、甘く入れば「待ってました」と云わんば

かりに打っていました。共に2安打で打線をしっか

り引っ張っていました。破れたとは言え、強打で強

豪枚方ボーイズと互角に戦った高槻ボーイズにはこ

れからも注目していきたいと思います。