途中出場した選手の活躍で尼崎西が大阪城東に逆転勝利


6/1にわかさスタジアムで行われたリトルシニアの試合を見てきました。

この時期は「ミズノ杯・大阪広域生コン杯 日本選手権関西大会」と呼ばれる関西6地区と岡山・鳥取の計8地区にあるチームがトーナメントで戦い、上位6チームが8月の明治神宮で行われる日本選手権に出場することができる大会があるようです(「日本リトルシニア中学硬式野球協会関西連盟」から引用)。

まずは、尼崎西ー大阪城東の対決です。

この試合は尼崎西が勝利しましたが、尼崎西は選手の層が厚く途中出場した選手が結果を残しました。この試合を振り返りたいと思います。
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戦評


尼崎西が途中出場した選手の活躍により逆転で勝利した。1-2で迎えた5回、1アウト満塁で代打酒井くんが同点の適時打を放つと、6番森岡くんが押し出し四球を選んで勝ち越し。動揺したのか2つの押し出し四球と暴投で一挙5得点。さらにランニング本塁打とスクイズで追加点をあげる。先発濱田くんが打者2人を投げてまさかの降板。ピンチで後を継いだ松井くんだが、後続をしっかり抑えると7回まで投げきり7回3失点とゲームメイク。
大阪城東は初回に松井くんの立ち上がりを攻めるなど満塁の好機を作るも活かせず。最後まで攻めの姿勢を貫いたが、尼崎西の守備に阻まれた。


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ハイライト
・1回裏 大阪城東の攻撃
 
先制された直後、1番川上くんと2番吉村くんが四球を選んだところで尼崎西のエース濱田くんがまさかの降板。途中登板した松井くんを大阪城東が攻めます。3番文元くんが投手前にバントを決めますが、松井くんの送球がそれてオールセーフ。チャンスに4番川口くんですが、初球から攻めるもショートフライ。5番幸村くんは空振り三振。6番清水くんはライトフライに倒れ3アウトチェンジ。

救援した尼崎西の松井くん。初回のピンチに登板するもしっかり抑え流れを渡さなかった。大阪城東からすれば1点でも取れば試合の展開が違ったかもしれない。それだけに松井くんの投球が尼崎西の勝因の1つに感じた。

・3回裏 大阪城東の攻撃

2アウト1塁から4番川口くんが右中間に二塁打を放ちます。一塁走者が一気にホームに帰り、1-1の同点に追いついます。

同点に追い付き盛り上がる大阪城東ベンチ。試合中は常に声を出して選手を元気付けた。監督やコーチも「転がせ!」など打者に指示していた。ベンチやスタンドも最後まで必死に戦っていた。


・4回裏 大阪城東の攻撃

1アウト2,3塁で9番高橋くんが投手前にスクイズを試みる。これが見事に決まり、三塁走者が勝ち越しのホームイン。さらに二塁走者もホームに突っ込む。ここで松井くんはボールを一塁に投げず、ホームに投げた。二塁走者は三本間に挟まれてタッチアウト。

2-1と勝ち越しに成功した大阪城東。しかし、次の1点を尼崎西が防いだ。このプレーは両者にとって大きかった。

・5回表 尼崎西の攻撃

反撃したい尼崎西は代打攻勢に出ますが、代打の選手が結果を出します。
1アウト後、代打志波くんが死球で出塁すると、ヒットと四球で満塁のチャンスを作ります。

5番倉内くんが初球のスライダーを空振りしたところでなんと選手交代。代打酒井くんを送りますが、この酒井くんが初球を捉えて同点のセンター前タイムリー。これに大阪城東バッテリーが動揺したのか6番森岡くんに押し出しの四球で勝ち越しを許す。8番森口くんに暴投で、9番松井くんは押し出し四球、1番肥田くんにも暴投をしてこの回5得点。

金森くんに声をかけているのは尼崎西の監督さんだろうか?試合中は基本静かに見ているが、ポイントではこのように選手に声をかけていた。
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感想
 尼崎西の途中から出場した選手の活躍が目立った。
まずは初回の守備。先発の濱田くんが打者2人に2つの四球を与えたところでまさかの降板。途中登板した松井くんですが、しっかり腕を振ってピンチを切り抜けた。あとはストレートを中心にカーブを低めに決めて凡打の山を築いた。7回を投げて3失点。初回で突然の登板でバタバタしてもおかしくない中でしっかりゲームを作った。松井くんの投球が勝因の1つであるのは確かだ。

投球だけでなく守備でも好プレーがあった。5回の1アウト2,3塁で大阪城東がスクイズを試みた。打球は松井くんの前に転がりスクイズを成功したが、二塁走者がホームに突っ込んでいた。松井くんはボールをホームに投げ、二塁走者を三本間でアウトにした。おそらく二塁走者がホームに突っ込んでいるのをファーストが松井くんに指示したと思うが、しっかり聞いてプレーに移した。この場面は松井くんだけでなくチーム全体が冷静な判断をしていたように見えた。勝ち越しを許したとはいえ、2点目を防いだのが大きなターニングポイントに思えた。


そして5回の攻撃で3人の選手が大きな約割を果たした。
まず代打の志波くん。彼は初球で死球を受けて出塁した。逆転した直後の攻撃で先頭打者が倒れたが、彼の出塁で得点する希望をもたらした。

次に代走の綱岡くん、金森くんの打席で二塁に盗塁を決めた。代走として足を活かし1つでも先の塁に進むことで大阪城東バッテリーに圧をかけた。綱岡くんの盗塁を阻止できなかった文元くんは悔しがっていた。

そして、3人目は同点打を放った代打の酒井くんだ。ここの判断は正直驚いた。5番倉内くんがスライダーを空振りした直後に監督は代打酒井くんを送った。その酒井くんは初球のストレートをしっかり捉えセンター前に同点タイムリー。酒井くんは同点にしてチームに勢いを乗せただけでなく、大阪城東バッテリーに後遺症を残した。ストレートを捉えてしまい、スライダーで打者を討ち取ろうとするも尼崎西打線がスライダーに手を出さなくなった(先ほど倉内くんが低めのスライダーに手を出して交代したのもあって余計に打者がスライダーを見極めたためか)。カウントがとりにくくなったことで四球が増え、さらに文元くんが低めのスライダーを後ろに逸らし、点を献上してしまった。それほど酒井くんの一振りが大きかった。

途中出場した選手の活躍が目立った尼崎西。選手層の厚さがあると思うが、監督の選手を替えたタイミングも完璧過ぎて驚いている。うまくいきすぎて怖いくらいだ。選手のことをしっかり見えていると思う。実際に試合終了後、ミーティングの様子を見ていて監督コーチ達が活躍した選手の結果だけでなく普段の頑張りを褒めていた。選手をわかっているが故に交代のタイミングを見極めることができたのかもしれない。これからもこのチームを知りたいと感じた。


一方で、敗れた大阪城東は全体的に活気があった。ベンチが常に声を出して選手を鼓舞し、劣勢になっても続けていた。選手はしっかり攻めていた。初回は投手の立ち上がりにバント攻撃でチャンスを広げた。5回もスクイズで2点目も奪おうとした。これらの攻撃は見てる方からしてもイヤらしいと思った(足やバントなど小技で相手をかき回す攻撃は個人的に好きなので面白いのだが)。もっと点をとれてもおかしくなかったが、相手の冷静な守備のもと3点でとどまってしまった。それが悔しい。

選手も意地を見せた。4番川口くんは初回は先制のチャンスで凡退したが、次の打席で同点の適時打を放った。3番文元くんは7回に守備のミスを取り戻すと言わんばかりのタイムリーヒット。文元くんは守備でも悔しがる場面があった。よほど負けんきが強いのだろうか。今回は悔しい負けを喫したが、この負けを忘れずどんどん強くなって欲しいと思いました。
大阪城東の先発高橋優くん。外に逃げるスライダーを中心に尼崎西打線を打たせて取る投球をし、4回を1失点。5回こそ崩れてしまったがエースとして素晴らしい投球をしていた。


尼崎西のベンチは基本静かだった。ただ選手間で情報を交換したり、下元くんがネクストにいてる打者に話しかける様子が見られた。作戦を伝えたり気持ちを落ち着かせたりしているのだろうか。これも尼崎西の強さなのかも知れない。

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