春を思い出させるような逆転劇で湖南ボーイズが初戦突破

こんにちは、Ujiです。

6月も終盤に入りあと少しで高校野球の夏の大会が始まる頃、地域によっては組み合わせが決まっている地域もあります。高校野球観戦の一番熱く楽しめる季節が来たなぁと感じます。


そんな中、私は一足はやく野球観戦の夏を感じてきました。
6月22日甲賀市民球場で行われた中学野球ボーイズリーグ選手権大会滋賀予選

湖南ボーイズ VS 近江ボーイズ

の一戦。
試合は最終回に劇的な逆転劇が起きました。この試合を振りかえります。
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戦評



湖南ボーイズが春を思い出させるような逆転劇だった。春に本塁打を放った田井くんがまたも一振りで流れを引き寄せた。2点ビハインドで迎えた7回0アウト1塁で1番田井くんが左中間3塁打を放つと、2番三浦くんの同点打、3番上原くんが逆転打と3連続タイムリーで形成逆転。最後は田井くんが締め劇的な逆転で湖南ボーイズが初戦を突破した。一方、近江ボーイズは春に見せた積極的な攻めをこの試合でも発揮した。4回は初球攻撃で同点、5回は連打で勝ち越しするなどで試合の主導権を握った。ただ、失点した回の先頭打者に四球を与え得点に結びつかれたのが痛かった。

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ハイライト


近江ボーイズの先発大山くん(奥の方)。速いストレートとスライダー系を中心に投げていたが、この試合は緩いカーブを使うことで打者のタイミングを外す投球をしていました。対する田井くんは下半身ががっちりしてます。


湖南ボーイズの先発伊藤蓮くん。春より身体が大きくなったような。インコース中心の投球で打者を打たせてとります。


・3回表 湖南ボーイズの攻撃

2アウト満塁から5番北川くんがレフト前にタイムリーヒットで1点を先制します。湖南打線が2巡目に入り際どいコースは見逃したこともあって、近江の大山くんはこの回3四球31球を投げました。大山くんはこの回限りで降板しましたが、緩いカーブで攻めるなど春とは違った投球をしていました。


・4回裏 近江ボーイズの攻撃

反撃したい近江ボーイズ。
先頭の4番大山くんが四球を選ぶと、5番平井くんが送りバントを一回で成功し1アウト2塁。6番辻くんがレフト前ヒットで1アウト1,3塁とチャンスを作ると、7番山本磨くんがスクイズを成功し1-1の同点に。
 5番から7番まで全て初球で決めるなど積極的な攻撃が目立ちました。バントもきっちり一回で決め、近江ボーイズは流れるような攻撃で同点に追いつきました。


・5回裏 近江ボーイズの攻撃

勢いが止まらない近江ボーイズ。
先頭の9番岡田くんが初球を捉えレフト線に2塁打を放って出塁すると、1番中井くんもレフト線に2塁打を放ち、2-1の勝ち越し。さらに連続四球と暴投で3-1とリードを広げます。

・6回表 湖南ボーイズの攻撃

7番間屋口くんが相手のエラーで出塁し二塁まで到達しますが、9番大治くんのところで近江の安田くんからの牽制球に刺されこの回無得点。


・7回表 湖南ボーイズの攻撃

追い込まれた湖南ボーイズ。
先頭の代打小森くんが四球を選ぶと、打席には1番田井くん。中に入ったストレートを完璧に捉え左中間を破るタイムリー3塁打に。これで勢いに乗った湖南ボーイズは2番三浦君がくんがセンターへ同点タイムリーを放つと、3番上原くんがレフト線に2塁打。レフトが打球を処理する間に一塁走者が一気にホームインし、4-3の逆転。スタンドも大盛り上がり。
1点差に迫る3塁打を放った田井くん(左から2番目)。このときは手を広げてますが、三塁到達後は嬉しくガッツポーズしてました。
同点打を放った三浦くん(右から4番目)。



・7回裏 近江ボーイズの攻撃

この回からマウンドに上がった田井くん。
先頭の代打近藤くんを打ちとったものの、捕球した田井くんが一塁にまさかの悪送球。思わぬ形で走者が出て盗塁で2塁に進みましたが、4番大山くんが三振に5番平井くんがセンターフライに倒れゲームセット。

湖南ボーイズが最終回に逆転して初戦を突破しました。



初戦を突破し喜ぶ湖南ボーイズ
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感想
 春を思い出させるような逆転劇で初戦を突破した湖南ボーイズ(詳しくはUji-noteの「湖南ボーイズ 逆転サヨナラで決勝進出」で)。春に起死回生の同点本塁打を放った田井くんがまたも一振りでチームの危機を救った。

7回0アウト1塁で中に甘く入った球を田井くんが強振し、打球はあっという間に左中間を破るタイムリー3塁打に。これで勢いに乗った湖南ナインは続く打者が連続でタイムリーヒットを放ち、試合をひっくり返した。これまでの劣勢が嘘のような打撃だった。

田井くんの打撃に関しては魅力が満載だ。両翼100mの甲賀市民球場にスタンドインしたパワーは勿論、打球も速く捉えた打球はあっという間に外野の間を抜けていった。まだ観戦歴は短いですが、春と夏の滋賀ボーイズの試合を見た中では間違いなく上位に入ると思います。また、ストライクは積極的に振る一方でボール球には手を出さないなど選球眼も優れている。見切りが早いのもあってボールからストライクに入るような球を見逃したり、ストライクからボールになる球を振りにいく場面もあるが、試合中に修正しているように見えた。最初は苦しんでも終盤になれば打ってくれそうな予感がします。なにより一振りで試合の流れを変える打撃が他の打者にない魅力だと思います。今は1番を打っていますが、私は彼を4番に置いた方が良いのでは?と思います。良い打者なので1つでも多く打席が回る1番もありなのですが、一振りでチームを救う打撃の魅力を活かせるには4番の方が良いかと。想像でモノを言っているので本当のことはわからないのですが、私は彼が4番が良いと思います。


敗れた近江ボーイズは四死球が多く、先頭打者に与えた四球で失点に繋がったのが痛かった。失点した3回と7回は共に9番から始まる打順で大山くんと辻くんは9番打者に四球を与えてしまった。上位打線にいい形で打席が回り失点した。大山くんは初回の、辻くんは7回以外の先頭打者をしっかり抑えていただけに、9番に四球を与えたことが後に響き悔しい結果になってしまった

とはいえ、近江ボーイズは春より強くなったことは確実に言える。まずは先発した大山くん。彼は速いストレートとスライダーが中心の投球だったが、ここに緩いカーブを投げるようになった。緩いカーブはストレートをさらに速く見せたり、打者のタイミングを外すなどの効果があって湖南打線を3回1失点に抑えた。ただ、このカーブはまだまだ発展途上でカウントを稼げないのが難点。うまくコントロールできずボール球になりやすいため必然的に球数が多く、大山くんは3回までに59球投げ、四球を5つも与えてしまった。カーブでカウントが取れるようになれば球数が少なくなり、バックも守りやすくなる。また、大山くんには速いストレートがありますし、それを活かす上でもカーブの重要性は増すと思います。なので今後はカーブの精度を上げてほしいと思いました。

チーム力も各段に上がっているように感じた。この試合は35人中23人と半数以上がファーストストライクから振りにいくなど積極的な攻めをし(春は27人中17人)、送りバントで走者を進める姿勢は春から変わっていなかった。ただ違うのは、今回はこの2つの要素をうまくかみ合わせて流れるような攻撃が出来たことだ。それを体現したのが4回の同点劇。四球で出た走者をバント、ヒット、スクイズで1点を奪ったのだが、何れも初球で決めたもの。バントは一回で確実に決め、ヒットは甘く入った変化球をしっかり振り抜いた結果だ。スクイズの場面は一度間を置くのが理想なのだが、近江ボーイズのスムーズな打撃の前に湖南ボーイズ守備陣は息つく暇もなかった。この流れるような攻撃が春からの成長に感じた。

他にも捕手の安田くんが正確なスローイングで二塁走者を刺したり、救援した辻くんが粘りの投球で湖南打線を抑えるなど活躍した選手はいた。チーム力は湖南ボーイズに負けていなかった。最終回に逆転されて負けるなど悔しい敗戦でありましたが、春からの明らかに良くなっていたのを見てて嬉しく感じました。

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