大阪桐蔭が明石商業を逆転で勝ち甲子園行きを決める

こんにちは、Ujiです。

10月27日に佐藤薬品球場で行われた近畿大会準々決勝

大阪桐蔭(大阪1位) VS 明石商業(兵庫2位)

の試合を見てきました。


両者はこれまで2度対戦しており2戦とも大阪桐蔭が勝利しましたが、5-3(15年秋)と7-6(18年春)と共に接戦。18年春は延長にも及ぶ大熱戦でした。明石商業にはこの試合を経験している中森くんと来田くんがおり、リベンジを果たしたいだろうという思いと、ここで勝って甲子園を決めるという中で向かってくるでしょう。桐蔭としては今まで以上に手ごわい相手と戦うことになります。桐蔭も現段階では甲子園に行ける可能性は高いのですが、後の試合の勝敗次第で出られない可能性もあります。ここで勝って甲子園行きを確実にしたいです。
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感想
 かなりレベルの高い試合でした。最後までどうなるかわからない展開に終始緊張して試合を見ていました。わずか1プレー、わずか1球で勝敗が決まるほど拮抗した試合で、そのわずかな隙を作るために互いにプレッシャーをかけていました。


先手を取ったのは明石商業。桐蔭の先発藤江くんが立ち上がりが良くなく先頭打者に四球を与えます。明石商業は送りバントと長打で得点を奪い、2回までに3得点。この時、明石商業の左打者はベースギリギリに立っていた。外に逃げるスライダーを見極めるためか。実際藤江くんは左打者に対してスライダーでカウントが取れていなかった。カウントを取りにきたストレートを明石商業の左打者がしっかり捉えタイムリーヒットになった。狙い球を定めてしっかり結果を出した。

いい形で先制した明石商業。先発の中森くんは精度が高いカットボールを外角にしっかり決め桐蔭打線から三振の山を築いた。桐蔭としては最悪の流れだったが、二巡目以降はしっかり中森投手の球に対応してきた。

3回1番池田くんの死球と2番伊東くんの安打などで2アウトながら1,2塁のチャンスに打席は西野くん。高めに浮いたストレートをしっかり捉えライトスタンドに同点3ランホームランを放った。飛距離は充分でライトの福本くんが一歩も動けないほど。まだ3回とはいえイヤな流れを吹き飛ばした起死回生とも言える一発だった。この打席の西野くんは外に逃げるカットボールをしっかり見極めた。これでカットボールを投げにくくなった中森くんはストレートを投げて打たれてしまった。というものの中森くんはこの試合を通じて甘い球はこの1球くらい。そのわずか1球のチャンスを西野くんは逃さずモノにした。プレッシャーがある中での集中力に凄さを感じた。


そして6回裏の攻防。2アウト2,3塁で中森くんのスライダーを名村くんが後逸し、三塁走者がホームインしこれが決勝点となった。大阪桐蔭打線は3巡目に入り中森くんのカットボールをしっかり対応できていた。5番船曳くんが四球を選んだように外の変化球には自信をもって見極めていた。試合が拮抗する中で掴んだチャンス。明石商業はこの回だけで2回も守備のタイムを使うほど重要な場面で0に抑えて次の攻撃に行きたいところだった。しかし、いろんな状況からのプレッシャーからか、名村くんの後逸で明石商業は勝ち越しを許してしまった。両チーム通じて唯一の後逸が決勝点。名村くんは悔しいと思うが、そうさせるほどに大阪桐蔭の各打者が試合を通じて圧をかけていた。


桐蔭はここまで大阪大会で決勝戦以外をコールドで勝ち上がり毎回のように得点するなど打線が猛威を奮った。ここ10年で最強クラスに打線がいいらしい。打線が良いときのチームは大阪で無双しても、大きな大会で劣勢に立たされて好投手が来るとコロっと倒れることもあり、今回も同じようなケースになると思われた。しかし西野くんの本塁打が不安を払拭させてくれた。わずか1球の失投を逃さなかったし、チームとして得点圏に走者を置いた3回中2回を得点に結びつけるなどわずかなチャンスをモノにできる集中力があった。劣勢に立っても耐えてチャンスを伺って一気に攻める。西谷監督のいう「粘りの野球」をしっかり体現している。

藤江くんもしっかり投げきった。公式戦で初の9回完投。前半はばらつきもあって先頭打者に四球を与え失点をした。清水くんと息が合わないのもあるのか、明石商業がやりにくいのか終盤まで腕が振れてなかった。ただ9回の1アウト2塁のピンチでしっかり腕を振って二者連続の三振を奪った。最後は膝元ギリギリに攻めるストレート。打撃の良い中森くんでも手が出なかった。桐蔭のエースは前半は調子が悪くても後半に良くなりピンチでもしっかり抑える。藤江くんも立派なエースです。

接戦で勝ったことは大きな収穫です。この勢いを今年のみならず来年にも持っていきたいです。


明石商業は敗れたものの強かった。
中森くんは精度がかなり高く、中でも右打者への外に逃げるカットボールは桐蔭打線でも手がつけられなかった。2,3巡目になると桐蔭打線はカットボールを見極めたものの安打を打てなかった。今日はあまり見られなかったが中森くんはチェンジアップの精度も高いので緩急も交えられたら桐蔭打線は点を取れていたかどうか怪しい。まだまだ引き出しがあるのが恐ろしい。

打線は走者を1つでも先の塁に進め1点を取りに行く姿勢が見られた。
4回1アウト2塁で中森くんが追い込まれながらもセカンドゴロで走者を三塁に進めた。中森くんは甲子園でホームランを打ったように打撃もいいのだが、ここでは次のことも考えて走者を進める打撃をしたように見えた。しかも追い込まれてすぐにしたようにも見えた。次の打者が来田くんという全国トップクラスの打者にチャンスで回せば、守る側はヒットは勿論、エラーや暴投が許されない状況になるなどプレッシャーがかかる。得点こそ出来なかったが、1点を取るためにいろんな方向から圧をかけ、各選手が役割を考えて実行していた。誰が打席に立っても油断できず、守る方も気が抜けない。

明石商業として惜しいのはスクイズをしかける機会がなかったことか。スクイズは明石商業のお家芸で成功率もかなり高い。桐蔭の捕手清水くんは公式戦の経験が少なくリードするだけでも手が一杯であるだろう状況の中、スクイズも警戒するとなると考えることが多すぎてプレーに集中できなさそう。明石商業からすればバッテリーをかき乱すいい機会であったがそういう場面がなかった。一つの武器を発揮出来ずに終わってしまった。


書けば書くほど両者のいいところが出てきてまとめるのが難しかった。それだけ両チームに力が備わっており、試合の内容が濃かった。おそらく両チームは甲子園に行けると思いますが甲子園で存分に自分たちの野球を発揮して欲しい。

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